2025-08-07

産後パパ育休(出生時育児休業)とは?

厚生労働省が先週公表した調査結果によると、民間企業で育児休業を取った男性の割合が40.5%となったことが分かりました。ニュースにもなったのでご存じの方も多いかもしれません。この40.5%は過去最高で、前年より10.4ポイント上昇しました(調査対象は2024年度で、2023年度との比較)。

 

育児休業取得率の推移

厚生労働省「24年度雇用均等基本調査」

 

このグラフを見ても分かりますが、特にこの3年で急上昇しており、イクメンに加えて最近では産後パパ育休という言葉もよく聞くようになってきました。本日は、この産後パパ育休がどのようなものか、改めて解説してみたいと思います。

 

 

 

産後パパ育休とは

 

育児休業とはご存じのように、原則1歳未満の子どもを育てるために取得することができる休みのことです。育児・介護休業法で定められた制度です。

 

これとは別途に子の出生直後にとることができるのが産後パパ育休の制度で、2022年に設けられました。産後パパ育休の制度では、男性が子の出生後8週間以内に4週間まで休みを取ることができます。

 

育児休業と産後パパ育休はいずれも2回に分割して取得することができるため、子どもが1歳になるまでの間、男性は最大4回に分けて休みを取ることができ、夫婦で分担して子育てをすることもできます。

厚生労働省 育児休業制度特設サイトより

 

 

 

中小企業様にとっての産後パパ育休対応のメリット

 

 

中小企業様にとって、法令順守の観点以外にも産後パパ育休制度を運用するメリットはあります。

 

冒頭の調査結果と同じ日に公表された厚生労働省による「若年層における仕事と育児の両立に関する意識調査」では、15~30歳の男女13709人を対象に調査し、「育休取得について、7割以上が性別は関係ないと回答」しました。

 

現在、中小企業のうち300名以下の事業所については男性育休取得率の公表義務はないものの、人材不足の社会情勢の中で、優秀な人材確保を考えると、どのような規模の中小企業様であっても、力を入れるべきであることが分かります。

 

 

中小企業様における環境整備と運用

 

産後パパ育休は労働者の権利であり、小規模事業所であっても従業員からの申し出を会社は拒むことは基本的にできません。では、中小企業様が産後パパ育休制度を運用する上で、どのようなことが必要でしょうか?

従業員への周知

従業員の中には、産後パパ育休制度について知らない人、まだまだ「男性が取得しても大丈夫だろうか」と不安に感じる人もいます。また、人材不足の中小企業様は多く、従業員の中にも「自分が休むと他の人の負担は大丈夫だろうか」と懸念する方もいるでしょう。法的に制度を説明するだけではなく、会社として「家庭も仕事もしっかり頑張って欲しい」という両立支援への考えを打ち出すことが必要となります。場合によっては研修や相談体制を整備すると良いでしょう。

就業規則への明記

従業員数が10名以上の事業所様では、就業規則を作成・労基に届け出が義務になります。育児休業についても取得できる対象者・期間・手続き・育児休業中の就業について・育児休業期間中の賃金の支払いの有無、などを規程に定めて届出をする必要があります。

10名未満の事業所様でも、育児休業について労使間でトラブルになることを防ぐためにも、他の規則と同様、育児介護休業規規程として規程を作成、従業員に周知することをお勧めします。

社内体制

産後パパ育休の取得前は仕事の引き継ぎや関係部署との調整が必要です。一人に属人的な業務体制では難しいため、誰が休んでも他の人が仕事を回せるよう、体制を整える必要があります。産後パパ育休中でも労使協定の締結によって一部就業できます。中小企業様におかれましては、休業中の就業も視野にいれると良いかもしれません。

労務管理

取得中の就業管理や給与計算、また復職時は段階的な業務復帰計画の作成などが必要です。

出生時育児休業給付金の手続き

産後パパ育休を取得した従業員は、出生時育児休業給付金を受けられます。2025年4月の産後パパ育休制度の改正では、給付金制度が大幅に拡充されました。両親とも育休を14日以上取得した場合、給付率の引上げと社会保険料免除(休み方に要件があります)により実質的に手取りの100%相当が給付されます。申請手続きも簡素化され、企業の負担が軽減されました。

300人を超える中小企業様は公表の義務に対応

2025年4月から、男性従業員の育児休業取得状況の公表義務が、300人超の企業にも拡大されました。それまで1000人超でしたが、さらに規模の小さい企業にとっても義務となりました。「男性の育児休業等の取得率」、または「男性の育児休業等と育児目的休暇の取得率」を公表します。

 

従業員への意向の確認

当然ながら、従業員への産後パパ育休取得意向をヒアリングしておく必要があります。取得意向だけでなく、出産予定日や取得予定期間、周囲に配慮して欲しい事、復帰後の働き方希望などを聞いておくとスムーズな対応ができるでしょう。

 

 

 

本日は「産後パパ育休(出生時育児休業)」について解説しました。育休中の社会保険料の免除について知りになりたい方は、こちらの記事もご確認ください。

 

 

 

ご参考(さらに詳しくお知りになりたい方はこちら)

 

厚生労働省による動画も分かりやすいので、ぜひご参考ください。

 

 

2025年4月から創設された「出生後休業支援給付金」と「育児時短就業給付金」についてはこちら。

2025年4月から「出生後休業支援給付金」と「育児時短就業給付金」が創設

 

「子育てサポート企業」が受けることができる「くるみん認定」についてはこちらをご覧ください。

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