2023-11-21

着替え時間は労働時間になるのか?

突然ですが、中小企業の経営者の方やクリニック・動物病院の院長先生に質問です。雇用されている従業員の「着替え時間」を労働時間として換算していますか?

 

中小企業様であれば作業着やユニフォームに着替える、またクリニック・動物病院ではナースウェア・スクラブ・白衣などに着替えるように、従業員に指定していることがあるかと思います。

 

もし「NO」とお答えの方には、本コラムを読んでいただき、その対応が適切かを改めて確認していただければと思います。

 

 

従業員の着替え時間が労働時間になるか?

 

この質問に対しては、まず「労働時間」の範囲、定義を知る必要があります。

 

労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」によると、労働時間とはこのようになります (東京労働局)。

 

“労働時間とは使用者の指揮命令下に置かれている時間です。雇用主が明示しているかどうかに加えて、黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たります“

 

つまり、雇用主から着用を義務付けている場合は、「会社から行うように命令されている」とされ、労働時間として該当すると言えます。また、注意が必要なのは、明示しているものだけではなく、「黙示の指示」である場合も、該当するということです。(明示はしていないが、着用していないことで処分や罰則などの扱いを受ける、等)

 

上記のガイドラインにも、「労働時間に該当する例」として記載がありますが、雇用者の指示による「業務に必要な準備行為」や「業務に関連した後始末」と捉えられるものは、労働時間となりますので注意が必要です。

 

 

労働時間に関するトラブル事例

 

最近ではこのようなことがありました。家具小売り大手のイケア・ジャパンが2006年の開業以来、制服への着替え時間について従業員に賃金を支払っていなかったことが問題となりましたね。着替え時間について賃金の支給を始めたというニュースがありました。

 

イケアが着替え時間の賃金を9月から支給 労組は未払い分を請求へ:朝日新聞デジタル (asahi.com)

 

 

このようなケースは年々増えており、この流れは中小企業にも同じことが言えます。今一度、労働時間への捉え方に問題が無いか見直しをしてくださいね。

 

当事務所でも、労働時間管理に関するアドバイスやサポートを行っています。その他、従業員の雇用に関する人事労務に関するご相談など、女性社労士がご相談承ります。お気軽にお問い合わせください。

 

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