社用車・マイカー通勤のある事業者はご確認ください:2026年の交通ルール改正
「運転は本人任せ」になっていませんか?
中小企業様やクリニック・動物病院様で、車を運転する従業員がいる場合は、ご確認いただきたいのが、相次いで改正される運転に関係する重要な法律の施行です。
7月21日には「危険運転致死傷罪」が改正され、9月1日からは生活道路の法定速度が原則30km/hに引き下げられます。日常生活においては、特に後者の9/1の法改正のほうをご注意いただきたいと思います。
目次
7月21日施行 危険運転致死傷罪の改正
危険運転致死傷罪について、特に「飲酒」と「高速度」に関する数値基準が新たに設けられました。従来では、飲酒や高速度による危険運転について、「正常な運転が困難な状態」「進行を制御することが困難な高速度」など、個々の状況から判断されていました。そこに、数値基準が新たに設けられた格好です。
【飲酒運転】
一定以上の高濃度のアルコールを体内に保有した状態で運転し、人を死傷させた場合に、危険運転致死傷罪の対象となる基準が明確化されました。なお、もちろんですが、この数値未満であれば飲酒運転が問題ないという意味ではありません。
基準は、血液1mlにつき1.0mg以上、または呼気1Lにつき0.5mg以上です。
【高速度運転】
速度についても数値基準が設けられました。
最高速度60km/h以下の道路では「最高速度+50km/h以上」、60km/hを超える道路では「最高速度+60km/h以上」での運転が、一定の要件のもと危険運転致死傷罪の対象となります。
最高速度60km/h以下の道路 → 最高速度+50km/h以上
最高速度60km/h超の道路 → 最高速度+60km/h以上
さらに、ドリフト走行など、故意にタイヤを滑らせたり浮かせたりして車の制御を困難にする運転も、新たに危険運転致死傷罪の対象となりました。
9月1日施行 生活道路の法定速度が30km/hに
従来では、速度標識などによる指定がない一般道路では、原則として法定速度は60km/hでした。
9月1日から、主に地域住民の日常生活に利用されるような中央線や車両通行帯などがない一般道路では、
法定速度が30km/h
に引き下げられます。
特に住宅街や会社・クリニック周辺、訪問先などの細い道路を運転する際には注意が必要です。ただし中央線や車両通行帯がある道路などは一律30km/hになるわけではありません。また、速度標識がある道路では、その指定速度に従います。
経営者が確認しておきたいこと
今回の改正を機に、次の4点を確認しておきましょう。
- 車を運転する従業員への法改正の周知
- 社用車の運転・事故報告ルールの確認
- マイカー通勤者の免許証・自動車保険等の確認
- マイカー通勤規程・社用車管理規程などの見直し
特に、訪問診療・訪問看護、営業、配送、送迎などで住宅地を走行する事業所では、9月1日からの「生活道路30km/h」を従業員へ周知しておくことが重要です。
業務中の交通事故では、運転者本人だけでなく、企業側の安全管理や使用者としての責任が問題となる場合があります。また、マイカー通勤についても、許可条件や保険、事故時の対応などが曖昧なまま運用されているケースがあります。
今回の法改正をきっかけに、「誰が、どの車を、どのような条件で運転しているのか」を一度整理しておくことをおすすめします。
当事務所でも、マイカー通勤規程や社用車管理に関する社内ルール、就業規則の見直しについてもご相談を承っています。
参考リンク
法務省「危険運転致死傷罪(自動車運転死傷処罰法)の法改正 Q&A」
警察庁「生活道路における自動車の法定速度が引き下げられます」
この記事の執筆・監修者
当事務所では、中小企業様やクリニック・動物病院様に向けた従業員の雇用や人事労務に関するご相談など、女性社労士がご相談承ります。その他、中小企業様、クリニック・動物病院様のニーズに合わせた研修なども実施しております。お気軽にお問い合わせください。
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