自転車の罰則強化、経営者としての知っておくべきポイントとは?
中小企業様、クリニック・動物病院様は、地域で採用・雇用されているケースが多く、従業員が自転車で通勤しているケースも多いのではないでしょうか?また近くまで従業員を遣いに出すにあたり、自転車で行ってきてもらう事もあるでしょう。
2024年11月の道路交通法改正により、自転車の交通ルールがより厳しくなったことはご存じかと思います。そこから少し時間がたち、当事務所の顧問先の中小企業様やクリニック・動物病院様から「従業員が歩道を自転車で通行していたら警官に注意された」との声も聞かれるようになりました。
ルール強化を実感するようになってきた今、改めて中小企業様やクリニック・動物病院様が安全管理の観点からどのような点に留意すべきか、解説していきます。
2024年11月の道路交通法改正とは
2024年11月より、道路交通法が改正され、自転車に関する罰則が強化されました。自転車は「軽車両」として法律上位置づけられており、交通ルールを守る必要がありますが、近年、自転車による事故や危険運転が社会問題となっていることを受け、取り締まりが厳しくなりました。
改正のポイント
テレビなどでよく取り上げられるのは「ながらスマホ」ですが、その他にも下記のポイントがありますので、頭にいれておきましょう。
- 信号無視や一時停止無視に対する厳罰化
これまで注意喚起や指導が中心だった信号無視や一時停止無視に対し、反則金の適用が開始されました。 - スマートフォン操作・イヤホン使用の禁止強化
走行中のスマートフォン操作やイヤホンの使用に関する罰則が強化され、違反した場合には高額の罰金が科される可能性があります。 - ヘルメット着用の義務化(特定条件下)
16歳未満の子どもが自転車に乗る際のヘルメット着用義務が強化され、保護者が管理責任を問われるケースが増加します。 - 飲酒運転の罰則強化
自転車でも飲酒運転は違法ですが、今回の改正で一層厳しく取り締まられるようになりました。 - 歩道での走行ルールの厳格化
歩行者と自転車の接触事故を防ぐため、歩道での徐行義務違反などに対する取り締まりが強化されます。
それぞれの行為の定義、また具体的な罰則については、政府の広報オンライン>>>が分かりやすいので、合わせてご確認ください。
中小企業様・クリニック・動物病院様が注意すべきポイント
雇用主・経営者としては、以下の点に留意することが求められます。
- 就業規則上の観点
中小企業様・クリニック・動物病院様の就業規則に、自転車利用時のルールは記載がありますでしょうか?また、そもそも自転車の利用を雇用主として従業員に許可していますか?ない場合は、下記の内容を盛り込みましょう。
・自転車での通勤の場合、許可制とする
・対物・対人の自転車保険(個人損害賠償保険)に加入した上で会社に申請すること
・業務や通勤で自転車を利用する際は道路交通法を遵守すること
・職場の飲み会後は、自転車の利用を禁止とする
・他
- リスクマネジメントの観点
万が一、従業員が自転車事故をおこし、加害者となった場合、相手に大きな後遺症を負わせた場合には従業員個人だけではなく、雇用主である中小企業様やクリニック・動物病院様も使用者責任を問われる可能性があります。
経営者として、自己を発生させない予防対応はもちろんですが、組織として施設賠償責任保険への加入をご検討ください。
- 労働災害防止の観点
大切な従業員が事故を起こした場合、労働災害です。また従業員が無事であっても、加害者になった場合も含めて、従業員が通常通りに働けるかどうか、分かりません。災害防止の観点からも、定期的に交通安全に関する研修や注意喚起を行うことが推奨されます。社内研修や安全啓発活動の実施を検討してみましょう。
- 社内周知
企業として従業員に対し、通勤時の自転車利用に関する社内ルールを設け、交通ルールを遵守するよう指導することが重要です。通勤時の自転車利用ルールの明確化から始めても良いでしょう。
こちらの警視庁のポスター>>>を社内に貼っておくのも良いかもしれません。
従業員が安全に自転車を利用できるよう、適切な教育・指導を行い、リスク管理を強化することが求められます。
就業規則の改訂や、リスクマネジメントについては当事務でもご相談可能です。お気軽にお問い合わせください。
当事務所では、中小企業様やクリニック・動物病院様に向けた従業員の雇用や人事労務に関するご相談など、女性社労士がご相談承ります。その他、中小企業様、クリニック・動物病院様のニーズに合わせた研修なども実施しております。お気軽にお問い合わせください。
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