2026-09-15

2026年10月からパート等の「労働条件通知書」が変わります

2026年10月1日から、パートタイマー・有期雇用労働者に関するルールが変わります。

 

契約社員やパートスタッフを雇用している中小企業はもちろん、受付・医療事務・看護師などのパート職員が多いクリニック、動物看護師や受付スタッフ等を雇用する動物病院でも確認しておきたい改正です。

 

 

 

目次

2026年10月1日からの改正ポイント

 

今回の改正では、パート・有期雇用労働法施行規則の改正とあわせて、「同一労働同一賃金ガイドライン」や雇用管理に関する指針も見直されました。主な改正ポイントは、次の3つです。

 

① 雇い入れ時の「労働条件明示事項」の追加

② 「同一労働同一賃金ガイドライン」の改正

③ 企業に求められる「雇用管理上の措置」の見直し

 

今回はその中でも、パート等を採用する中小企業やクリニック・動物病院にとって、まず対応が必要となる「労働条件通知書」の変更について解説します。

 

 

労働条件通知書はすぐの対応が必要です

 

【Before:2026年9月30日まで】

パート・有期雇用労働者を雇い入れる際には、通常の労働条件に加えて、

・昇給の有無

・退職手当の有無

・賞与の有無

・雇用管理の改善等に関する相談窓口

などを明示する必要があります。

 

【After:2026年10月1日から】

上記に加えて、新たに

「正社員など通常の労働者との待遇の相違の内容・理由等について、説明を求めることができる旨」

を明示することが必要になります。

 

つまり、パート等の職員に対して、

「正社員との待遇の違いや、その理由について説明を求めることができます」

と、雇い入れ時にあらかじめ知らせることになります。

 

※労働契約を更新する場合も対象となります。

 

 

書式が変わるだけではありません

 

今回の改正で注意したいのは、労働条件通知書の書式を変更すれば終わり、というわけではないことです。

 

「同一労働同一賃金ガイドライン」も見直され、賞与、退職手当、各種手当、福利厚生などについて、正社員とパート・有期雇用労働者との待遇差に関する考え方がより明確になりました。

 

また、待遇差について職員から説明を求められた場合の説明方法など、雇用側に求められる雇用管理上の対応も見直されています。

 

そのため、これを機に「正社員とパート等の待遇にどのような違いがあるか」「その違いを合理的に説明できるか」についても確認しておくことが大切です。

 

 

事業主がやることは、この3つ

 

  1. 労働条件通知書・雇用契約書の雛形を変更する

    厚生労働省では、2026年10月1日以降に対応した新しいモデル労働条件通知書を公開しています。一般労働者用のほか、短時間(パート)労働者用などの様式があり、Word形式でダウンロードして使用できます。

    ▶ 厚生労働省「モデル労働条件通知書(2026年10月1日以降対応)」

     

    現在使用している雛形を確認し、10月以降の雇い入れ・契約更新に備えて変更しておきましょう。

     

  2. 正社員とパート等の「待遇の違い」を点検する

    基本給だけでなく、賞与、退職手当、各種手当、休暇、福利厚生などについて、正社員とパート等で違いがないか確認します。

     

    違いがある場合には、「なぜ違うのか」を説明できる状態にしておくことが重要です。

  3. 説明を求められたときの対応を確認する
    10月以降は、待遇差について説明を求めることができる旨を明示するため、実際に職員から質問を受けることも考えられます。クリニックや動物病院では、受付、医療事務、看護職、動物看護師など、正社員とパートが同じ職場で似た業務を担当しているケースも少なくありません。

    誰が、どのような資料を使って説明するのかなど、社内で対応方法を決めておくと安心です。

 

 

「勤務時間が違うから待遇が違っていて当然」とするのではなく、それぞれの職務内容や責任、配置変更の範囲などを踏まえて、待遇差を説明できるか確認しておくことが大切です。

 

長年同じ労働条件通知書や雇用契約書を使用している事業所は、今回の改正を機に一度見直しておきましょう。

 

2026年10月以降にパート・有期雇用職員の採用や契約更新を予定している場合は、9月中の準備をおすすめします。

 

 

参考ページ

 

厚生労働省「同一労働同一賃金特集ページ」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144972.html

 

厚生労働省「主要様式ダウンロードコーナー」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudoukijunkankei.html

 

この記事の執筆・監修者

二上潤子

二上潤子

クレイン人事労務パートナーズ代表

  • 特定社会保険労務士
  • キャリアコンサルタント
  • 大阪を中心に主にクリニック、動物病院の労務管理を支援
  • 医療接遇研修にも対応
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