短時間正社員制度とは?導入するメリットについてご紹介します
東大阪で大阪・奈良・京都・兵庫の中小企業様およびクリニック・動物病院様向けにサービスを提供しています、女性社労士の二上です。
本日は、中小企業様だけでなく、女性職員が多い医療機関ではぜひ取り入れていただきたい制度をご紹介します。
この数年、人手不足の問題については実感されている中小企業様やクリニック・動物病院様も多いのではないでしょうか。当事務所の顧問先様でも人材の確保が難しくなってきたことを耳にすることも増えました。そのような中、良い人材を確保するために「短時間正社員制度」の導入を検討される中小企業様やクリニック・動物病院様も増えてきています。
「短時間正社員制度」について知りたい、または導入を検討されている、といった中小企業の経営者様やクリニック・動物病院の院長先生向けに、短時間正社員制度とそのメリットについてご説明したいと思います。
短時間正社員制度とは
「短時間正社員制度」は、下記のような様々なタイプの人材に、勤務時間や勤務日数をフルタイム正社員よりも短くしながら活躍してもらうための仕組みです。
- 育児・介護等と仕事を両立したい社員
- 決まった日時だけ働きたい入職者
- 定年後も働き続けたい高齢者
- キャリアアップをめざすパートタイム労働者 等
「短時間正社員」とは、フルタイムの正社員(※)と比べ、1週間の所定労働時間が短い正規型の社員のことで、以下の2つに当てはまる社員をいいます。
- 期間の定めのない労働契約(無期労働契約)を締結している
- 時間当たりの基本給及び賞与・退職金等の算定方法等がフルタイム正社員と同等
※1週間の所定労働時間が40時間程度(1日8時間、週5日勤務等)、期間の定めのない正社員
参照:短時間正社員 | 多様な正社員 (mhlw.go.jp)
「短時間正社員制度」導入のメリット
シフトの調整が面倒な制度ではないの?
このようなご印象を持つ中小企業様やクリニック・動物病院様もいらっしゃるかもしれません。実際には、「短時間正社員制度」を導入することで、人材不足対策にもなる大きなメリットを生み出します。
具体的には以下のようなメリットがあります。
- 育児や介護など、様々な理由で就業時間に制約がある従業員の就業継続が可能となる
- 会社のアピールポイントにもなり、優秀な人材の確保にもつながる
- 離職率の低下、社員の満足度の向上につながる
意欲のある従業員にとって、就業時間の制約に関わらず「正社員」として働く機会を与えてもらえることはモチベーションを上げる大きな要因の1つです。そのような優秀な人材の確保し、有効活用を図るために効果が期待できる制度とも言えるでしょう。
「短時間制社員制度」の導入における注意点3つ
短時間正社員制度を導入・運用する上で、短時間正社員の役割・職務内容や労働条件、導入の目的を明確にすることが必要となります。その中で注意してほしい3つの点が以下です。
①就業規則に短時間正社員の労働条件などを明文化し、トラブルを未然に防ぐ
②育児または介護のための短時間正社員制度については、育児・介護休業法(2022年4月より施行)で定められている内容を満たしていること(参考:育児・介護休業法について | 厚生労働省)
③将来的なフルタイム正社員への復帰・転換についても検討しておく
このうち、③については、短時間正社員制度を導入する目的に関わってきます。育児・介護支援の場合であれば、復帰を前提として考えられます。パートタイム従業員の活用であれば、従業員のニーズと人材の有効活用を踏まえフルタイム正社員への転換も考えられるでしょう。
いずれにせよ、「短時間正社員制度」を中小企業様やクリニック・動物病院様で効果的に運用するためには、「なぜ短時間正社員制度を導入したいのか?」という目的を明確にして導入・運用することが成功の秘訣です。
短時間正社員制度の導入に関する手順や、制度を円滑に運用する上でのポイント、導入に関するFAQ(よくある質問)など、詳しい情報は以下の厚生労働省が公表しているマニュアルでも確認できます。
「短時間正社員制度」導入・運用支援マニュアル.pdf (mhlw.go.jp)
当事務所でも、中小企業様やクリニック・動物病院様の短時間正社員制度の導入に関するアドバイスやサポートを行っています。その他、従業員の雇用に関する人事労務に関するご相談など、女性社労士がご相談承ります。お気軽にお問い合わせください。
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