2023-12-12

年1回の定期健康診断の義務、正しく理解・実施できていますか

こんにちは、大阪、奈良、京都、兵庫エリアの女性社労士、二上です。中小企業様およびクリニック・動物病院様向けの社労士業務を行っています。

 

近年、メンタルヘルスケアや長時間労働の是正など、従業員の健康管理の取り組みが重視されています。健康管理の取り組みの中でも基本的かつ重要なのが、年に1回の定期健康診断の実施です。

 

本日は、中小企業やクリニック・動物病院の事業主に求められる定期健康診断の実施について重要なポイントをまとめました。

 

 

 

定期健診の対象となる事業主は?

 

従業員を1人でも雇う中小企業様やクリニック・動物病院様は、対象となります。

 

従業員への定期健康診断の実施は、労働安全衛生法第66条第1項、労働安全衛生規則第44条によって定められています。しかし、厚生労働省によると実態は法令に基づいて行っていない事業場が見られるため、適切に対応をするよう注意喚起を促しています。

 

この機会に御社の定期健康診断が適切に実施されているか、ぜひ見直してみてください。

 

 

定期健康診断の実施における雇用主の義務

 

一般業務に従事する従業員に対して:

 

放射線を扱うなど、特殊な業務に従事する従業員に対して:

  • 半年に1回になります【労働安全衛生法に基づく健康診断】
    ※じん肺健診は管理区分に応じて1~3年以内ごとに1回
  • 特殊業務に合わせて、特殊健康診断、じん肺健診、歯科医師による検診
  • 健診結果の作成・保管・通知、対応は上記の一般健診と同じ

 

もし、上記にあげた義務を適切に行わなかった場合は、50万円以下の罰金(労働安全衛生法第120条)の対象となります。

 

 

定期健康診断の対象となる従業員は?

 

正社員に加えて、パートやアルバイトで以下の①と②両方の条件に当てはまる方も対象となります。

 

  • 無期雇用契約、または有期雇用契約で契約期間が1年以上の従業員

(※契約更新により1年以上使用されることが予定されている人や契約更新で1年以上使用されている人も含む)

  • 通常の従業員の1週間の所定労働時間数の4分の3以上である従業員

(※1週間の所定労働時間数のおおむね2分の1以上である従業員も受診の対象とすることが『望ましい』、としている)

 

 

健康診断の費用の負担はどうなる?

 

  • 健康診断の費用負担は?

従業員の定期健康診断は事業主の義務であるため、『事業主が負担すべきものとしています。

 

参考:健康診断の費用は労働者と使用者のどちらが負担するものなのでしょうか?|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

 

  • 健康診断を受けている時間は有給にすべき?
    受診のための時間についての賃金については、『労使の間の協議によって定めるもの』とする一方で、従業員の円滑な受診を考えると、『受診に要した時間の賃金を事業主が支払うことが望ましい』というのが厚生労働省による見解です。ですので、勤務時間内に受診してもらうのが望ましいといえます。

 

参考:健康診断を受けている間の賃金はどうなるのでしょうか?|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

 

 

注意すべきポイント

 

前述の通り、雇用主には労働者に対する健康診断の実施する義務があります。よって、中小企業やクリニック・動物病院で働く上記の対象従業員の一人でも受診しない場合は違反となり、雇用主である経営者・院長の責任となってしまいます。

 

毎年受けるのは面倒、行く時間が無い、・・・などの理由で受診をしない従業員が出ることが無いよう、事業所様ではあらかじめ対策することが必要です。トラブルを避けるためにも、定期健康診断の受診の義務や健康診断結果の保管・取扱いについてなどを含めた内容をあらかじめ就業規則に定めておくことも重要です。また、従業員が受診しやすいように労働環境を整えておくことも大切ですね。

 

定期健康診断だけでなく、雇入時の健康診断の実施(労働安全衛生規則43条)も同様に義務づけられていますので、併せて社内の対応に漏れが無いか今一度確認いただければと思います。

 

異常が見つかった従業員には、再検査や精密検査を促し、健康に不安な状態で勤務させることがないように、十分にご配慮ください。

 

 

当事務所でも、従業員の安全衛生に関するアドバイスやサポートを行っています。その他、就業規則の改定・作成など、従業員の雇用に関する人事労務に関するご相談など、女性社労士がご相談承っております。お気軽にお問い合わせください。

 

 

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