2022-10-21

【動物病院の院長先生向け】従業員の雇用で重要な労務管理のポイント

こんにちは、大阪、奈良、京都、兵庫エリアの女性社労士、二上です。中小企業様およびクリニックと動物病院向けの社労士業務を行っています。

 

新型コロナウィルス感染症が拡大した中、私たちの心を癒してくれたのが、動物・ペットの存在ではないでしょうか。私もコロナ以前より2匹の犬(チワワ17歳、ヨーキー8歳)を飼っており、コロナ渦の中のお家生活でも本当に癒されておりました。

 

動物病院の院長先生はお気づきだと思いますが、コロナ以前に比べ新規に犬猫を飼う人の数は増えました。(参照:令和3年全国犬猫飼育実態調査 || 一般社団法人ペットフード)

 

当事業所でも、動物病院の院長先生より、従業員の雇用に関するお悩みや労務管理についてのご相談で、社労士を探されご連絡をいただくことが増えたと感じています。

 

 

動物病院様が苦労される雇用・労務管理

動物病院の院長先生が社労士に相談いただく雇用・労務に関するお悩みは以下のようなものがあげられます。

  • 動物看護師やスタッフの残業、休憩、休暇
  • 労働基準監督署調査について
  • 動物によるひっかきや咬傷による労災事故の際の対応
  • 動物看護師やスタッフの有給休暇や産休・育児休暇
  • 動物看護師やスタッフが安全に長く働ける動物病院にしたい

 

動物の命を預かっている動物病院はその特性上、その他の事業に比べて、緊急対応や突発的な出来事・事故などが発生しやすい環境であると言えます。そのため、動物病院の雇用主の方のお悩みは、こうした環境でどのように労務管理を適切にすればよいか、ということのようです。

 

また、動物病院で働く看護師やスタッフは、女性であることも多く、女性にとって働きやすく、長く働ける動物病院でありたいとお考えの院長先生も多数いらっしゃいます。

 

 

動物病院の雇用・労務管理の4つのポイント

動物病院での雇用・労務管理と一言でいっても様々な対応・業務がありますが、社労士として動物病院の経営者の方に必ず確認していただきたいポイントをまとめました。

 

加入すべき社会保険に入っていますか?

社会保険とは、「社会保険(医療・年金・介護保険)」と「労働保険(労災・雇用保険)」です。

 

動物病院の雇用主の方は、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 社会保険(医療・年金・介護保険)は雇用する人数によって加入が必要(個人病院の場合)
  • 法人の場合、人数に関係なく社会保険への加入が必須
  • 労災保険は1人でも雇用すれば加入が必須(従業員の雇用形態に関わらず)
  • 雇用保険は、給付を受けられるなどのメリットもあるので正しく加入をする

 

就業規則はありますか?

就業規則の作成も動物病院での重要な労務管理の一つです。

  • 雇用している従業員が10人以上の動物病院であれば、法的に必要
  • 10人未満であっても就業規則は動物病院にとってメリットになる
  • 自らの動物病院の実態に合った就業規則であることが重要

 

従業員の労働時間管理、適切にできていますか?

動物病院で働く従業員が安心して長く働けるためにも、労働基準法に従った労働時間管理は大切です。少なくとも、以下のポイントはおさえておきましょう。

  • 労働時間は原則、1日8時間、週40時間まで。休日は毎週1回以上
  • 上記を超える場合は協定の締結・届出が必須(※残業・休日時間に上限あり)
  • 休憩時間は、6-8時間労働には45分以上、8時間を超えれば60分以上確保が必要
  • 休憩時間中の電話・来客対応は業務とみなされるため注意が必要
  • 正社員でなくても、一定の条件を満たせば年次休暇を取得する権利がある
  • 「振替休日」と「代休」では割増賃金の支払い方が違う

 

参考:労働時間・休憩・休日関係|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

 

労務リスクへの備えはできていますか?

「少人数の動物病院だから…」といって対策を怠ると、大きな損害となってしまう場合もあります。以下のような動物病院で起こりうる労務リスクに備えましょう。

  • 従業員のメンタルヘルス不調
  • 従業員の勤務中でのけがや通勤時の事故
  • 情報漏洩による動物病院の信用・経営的ダメージ
  • 従業員の重大な過失や不祥事による動物病院への損害

 

 

最近は、働き方改革や残業問題も大きく取り上げられることもあり、労務管理への意識が高まりました。そして、多くの動物病院の院長先生も人材管理や労務管理を重視し、社労士にご相談に来られます。

 

当事務所社労士は、特定社会保険労務士資格も保有しています。

特定社会保険労務士は、個別労働紛争での代理人としての業務が認められた社労士のことで、多くの労働問題にも精通しており、労働・社会保険などの手続き以外にも、労使問題に関わる様々なご相談にも応じています。

 

動物病院での労務管理、労働・社会保険手続き、そしてあらゆる「雇用」に関するご相談はお気軽にお問合せください。

 

 

当事務所は大阪に拠点をおき、関西圏(京都・兵庫・奈良)を中心に中小企業の経営者さま、クリニックや動物病院の院長先生、スタートアップやベンチャーの支援を行っております。

 

労務環境・職場環境チェックに関するご相談以外にも、従業員・スタッフの雇用にあたってのご相談、社会保険の手続きに関するご相談、その他助成金のご案内など、人事・労務に関する様々なご相談を承っております。

実績ある女性社労士として、お客様目線で親身になる事、経営者と従業員の皆さまがともに成長できることをモットーにアドバイスさせていただいております。

 

 

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